小林選手のプロフィール
1988年ダートトライアルでデビュー全戦優勝でチャンピオン獲得後
サーキットドライバーに転身、1995年からGT選手権に参戦を続ける一方
S耐・鈴鹿1000・ヒルクライムにも参戦、更にドイツドリフトGPでは
F1ドライバー、ニック・ハイドフェルトを下して優勝するなど
ドライバーとして幅広い分野で活躍。
現在SUPER-GTにマリオレーシングからポルシェでエントリーしている。
みなさん、はじめまして!レーシングドライバーの小林且雄です。
この度は、素敵なWEBサイトにコラムを書くことが出来て、本当に嬉しく思っています。
また、このコラムを読んですこしでも、モータースポーツに興味が湧いてきて、
サーキット走行をやってみようかな?っていう気持ちをもっていただけたら嬉しいな。
ということで、これからは定期的に、モータースポーツのことや、スポーツドライビング、
サーキット走行のイロハを書いて行くのでよろしく!
さて、記念すべき第1回目としては。。
サーキットを走ろう!
そういわれても、、
1)サーキットは安全?
サーキットというとどんなイメージをお持ちですか?
F1やるところ?それも、正解です。スーパーGTやるところ?それも、正解。
あとは危険な所?それは、、正解ではないんです。
テレビで、クラッシュシーンが映し出されると、サーキットは危険だ、というイメージに繋がりますが、
毎日のニュースでも映し出される交通事故に比べたら、人身事故などが起こる
確率はずっと少ないです。
自分はサーキット走行するのが仕事ですが、いつも一般道の方がずっと危険が多いと
感じています。それは、交通量がとても多いこと、
ドライバーのテクニックの格差があるすぎることもあるでしょう。誰でも、運転免許が取れ
るんですからね。
とにかく僕に言わせれば、サーキットより普通の道路のほうが危険がいっぱいです!
サーキットは、速度制限が無いので思いきりアクセル全開で走れます。
直線が長ければ長いほどスピードが出ます。普通のクルマででも180キロは出るでしょう。だからといって、
即サーキットは危険なわけではありません。
第一に、道路と違ってコース幅がとにかく広いということと、それに直線の後には
必ず大きなセーフティーゾーンが作られています。
だからもし万が一ブレーキが良く効かなくなったとしても、多くは大怪我には繋がらないの
です。
ところでサーキットって、、
2)誰でも走れるの?
勿論、誰でも走れます。ただし、普通免許は必要です。また、サーキットによっては
サーキットライセンスが必要なこともありますが、ほとんどが数時間の講習を受ければ
取得することが出来ます。
それからライセンスを取ると、同時にサーキットの共済会に加入することになっていて
もし万が一のことがあった場合の補償となります。
もしサーキット走りたくなった場合、言っておきたいことがあります。
サーキットを走る時、特に走り始めのうちは、誰でもが緊張します。
すると血圧や心拍数も上昇します。なので普段から健康診断などを受けておいて、
自分の体のことを知っておくことが大切です。
これはどのスポーツを始める場合にもいえますね。
あ、それともうひとつ、サーキット走行するには、格好付ける意味ではなく、
レーシングスーツの着用を推奨します。それは、機能性もさることながら、
もしコースアウトクラッシュしてクルマが燃えたりした場合、レーシングスーツは
燃えにくい素材でできているので、火傷から守ってくれるのです。
ヘルメットも必要です。もちろん、工事現場なんかで被っているヘルメットはダメです。
原チャリ用のヘルメットもダメ。ちゃんと4輪レース用の物を用意してくださいね。
自分の大切な頭を守るものですから、上等すぎるものを用意しましょう。
オリジナルカラーにペイントしたりするのも楽しみの一つですよ。
あとレーシンググローブとレーシングシューズもサーキット走行する上で
機能性が大変優れているので、出来れば是非用意して着用してください。
自分のクルマで走りたいけど、、
3)どんなクルマでも走れますか?
走れます。ためしにサーキット走行してみる程度であれば、どんなクルマでも大丈夫です。
ただ、今後サーキット走行を続けたい人や、レースに出たいと思っている人は、
ある程度サーキット走行に向いているといわれるクルマを選ぶのが良いでしょう。
何が違うか?というと、まず、サーキット走行するとブレーキが異常に温度上昇します。
するとブレーキの効きが悪くなってきてしまいます。
ですから事前にサーキット走行用のブレーキパッドに交換しておく必要があるのです。
ところがそのブレーキパッドは全ての車種用が揃っているわけではなく、
メーカーもサーキット走行するであろう車種のものを作って販売しています。
つまり、スポーツ用のブレーキパッドが装着できるクルマ、というのが最初の条件にな
るでしょう。
それから前に書きましたが、サーキットはスピード違反を気にすることが無く、
思いっきり走れるところなので、
誰でも今以上にスピードを出したくなるものなのです。
ですから、ある程度最初から速さの出るクルマ、、勿論スポーツカーであるならベストでしょう。
スポーツタイプのクルマにはサーキット走行をするうえでのパーツがたくさん販売されているので、
ドライビングテクニックを磨くだけでなく、マシンのチューニングという楽しみも増えるに違いありません。。
今回は初回なので、普段普通の人が思われているような素朴な質問を想定して回答してみましたが、
今後、ドライビングに関することから、マシンセッティング、モータースポーツの薦め等、
たくさん書いていこうとおもいますので、これからも宜しくお願いいたします。
それから筆者、、じゃなくレーシングドライバー、小林且雄の応援も宜しく!