
「サーキットトライアル」って、、
サーキットトライアルというと、走行会などで単にコースをタイム計測して走行するだけ、とイメージされると思いますが、これはれっきとしたレースの1つのカテゴリーなのです。
レースの予選だけを一つの競技としたといえば分かりやすいですが、
決められた時間内で何周してもOKで、チェッカーが振られるまでに出したベストタイムで順位を決めると言う競技です。
確かに「サーキット走行会でタイムが良い人が表彰される」と言えば、まぁその通りですね。
エントリー車紹介
2007年式VW GOLF V GTIは私が自家用車として初めて買った輸入車です。2000cc+ターボで200馬力!
では「どうして? 何故このカテゴリーを選んだの?」というのはまた別の機会にお話します。
わからない!1
レースに出るに当たって、日本車であれば整備書を見なくても、何処をはずしてどうやれば目的の部品交換が出来るか概ね想像が付くのですが、この車は輸入車。
エアークリーナー交換、ブレーキパッド交換すらやり方が全然わからないのです。
今まで乗っていた国産車とは勝手が違いすぎる!
「ヤバイ!どうしよう・・・」
やはり自分の手には負えず、結局、石川エンジニアリングさんに車を持ち込みました。そこでスタビ交換。ブレーキ交換(運良く良いブレーキが丁度出来ていたんですね。)。このブレーキがすごく良かった!これが後々の好成績につながったのです。
わからない!2
前日の朝、岡山国際サーキットに着いて早速フリー走行。
「そう言えば、最近のスポーツラジアルタイヤって、空気圧っていくつだろう?」
すっかり浦島になってしまっています^^。
タイヤはポテンザRE01R。
「丁度近くにブリジストンさんのトレーラーが来ている。聞いてみよう。」
大胆にもトレーラーの横に車を横付けし、
「済みませーン!この車でこのタイヤだと、エア圧いくつにしたら良いですかぁ?」
『前2.5,後2.3くらいでやってみたら。』とのアドバイスしてもらいました。
でもエア圧の設定は翌日悩むことになるのですが、
この時はそんな事想像できるはずもなく、、、
練習走行で
簡単な講習を受け、フリー走行へ。
今日はサーキットトライアルの出場車は5台参加しています。
取敢えず今日のところはタイムでは負けていないようです。でも明日は?
きっとこのサーキットに慣れている人が来ているのだろうから、明日のタイムは
もっと速くなると思われます。
で、俺は?というと、きっとこれが目一杯!だろう、、
「まあ、シャカリキになるよりも明日は楽しもう。」と自分を慰めつつホテルへ行くことに。
そうそうちなみに今、走行後のエア圧はいくつだろう?
フロント3,2、リヤ2,7(ここで計ってしまったのが大失敗)
さすがにいくらなんでもフロント3,2はすごすぎる
明日はもっと天気が良くなりそうだし!とコンマ2ほど落としてしまったのです。
セナ’が泊まった宿だった
宿は湯郷温泉。中にはいると、アイルトン・セナの写真がいっぱい。
パシフィックGPの時、ここにセナが泊まったらしい。
今でも、「セナが泊まった部屋」を指定してくる泊まり客がいるとか・・・。
この露天風呂に彼も入ったのだろう!と感慨深い。
いよいよ当日
コース到着後受付へ。クレデンシャルのストラップが格好良い!
かなり大きなレースでも、クレデンシャルカードは紙と普通のひもが多いのですが
VWのはエンブレムが着いて、ストラップにまでロゴが入っているプラスチック製のカード。
まるでF1のクレデンシャルのよう。
これだけでも草レースとの「違い」が感じられ、
プロの選手にでもなったようでなかなかいい気分。
パドックに入ると、昨日会った選手以外はまったく面識はないのですが
車の準備を始めると、隣近所や通りがかりの選手達から
「○○です、よろしく!」と、声を掛けてくれます。
ライバル同士なのにこそこそしない。気持ちのいいスポーツマンシップ。
初参加でも顔見知りが居なくても、寂しい思いをしないで済みます。
この雰囲気、気に入ったネ!
第1ヒート:オーバーテーク初体験
コースインして2周目。
前にペースの上がらない車が4台固まって走っていますが、抜けない!
(というか、今までこんなサーキットで前のクルマを抜いたりした経験が無いのです。)
「タイヤを暖めているのだろうか?」
「あの4台でバトルしてるのか?」
「少し間をとろう!」
などと考えながらこちらもややスロー気味に走行。
200mほど間をあけ、再びペースアップして2コーナーを立ち上がる。
駄目だ!このくらいの間では、一周もたない。バックミラーを見ると後ろは渋滞。
「これは抜くしかない!でも抜けるのか?
前の4台で熱くなっているところへ抜きに行くのは危険なのでは・・?」
様々な思いが頭を過ぎる。
「もう追走は限界だ。このままでは何も出来ない。
ポストがブルーフラッグを振ってくれることを信じよう!」
ホームストレートとバックストレートで1台、また1台と次々抜いて行きました。
スリップストリームってすごい!本当に前のクルマに引っ張られるように走れるんです。「テレビのレースで見たのと同じ事を俺がやっているんだ!」と感動!
でも、サーキットトライアルはタイムが勝負なので、抜くという行為は成績には余り関係ないのです。
「やっと車にも慣れてきたかな??」と勝手に自覚しつつ、気持ち良く走行。
「タイムはわからないけれど、昨日のタイムくらいは出ているだろう。」
バックミラーを見るとみんな同じように抜いてきたらしい。
チューニングクラスの車は追いついて来てもみんなストレートの途中で抜いていってくれます。ラインを譲る必要がないところばかりで助かりました。
チェッカー!
ゆっくり回ってパドックに戻ると、そのまま排ガス検査に行かされました。
「お!ひょっとしてTOPタイム?」
と心躍らせていると暫定結果が出て、2分02秒650。
2位とは0.2秒しかない。それに昨日よりも遅いじゃないですか。
きっとみんな次の2ヒート目は確実にタイムアップしてくるはずです。
タイムが上がらないのはどうしてだろう??
(ここから第2ヒートまでの間ずっと悩みっぱなし、、)
あ、エア圧か、、!!
昨日と違うのはエア圧のみ。
同じタイヤを使っている何人かに聞いてみたのですがみんなバラバラで、
リヤをかなり高くしている人もいて、
「このくらい上げないと、リヤがスライドしてくれないでしょ!」と言われ、
「あ、あ、あ・・・。す、すらいどするんですか・・・しかも良い感じで??」
(う~~ム解決どころかますます悩みは深く、、。)
悩んでばかりいても仕方ないので、ともかくエア圧を昨日と同じ数値に戻すことにしました。
「でも、これだけが遅くなった原因だろうか?」もう一度走り方を復習だ!
3月のGTの時、某GTドライバーに縁石の使い方やフロントLSDが無い車の走らせ方を教えてもらって、今まで何度もやっては来たけれど、此処でもう一度頭で復習。
第2ヒート
今回は、1ヒートの轍を踏まないよう、クリアラップをとりやすいようにとコースインの時から少しでも前に並ぶ。
運良く前には第1ヒート2位の齋藤選手、後ろはチューニングクラスの車。
齋藤選手に離されないで走れば、少なくとも彼と同等のタイムは出るはず、
後ろのチューニングクラスの車は速いから、早々に抜いて行ってくれるでしょう。さてコースイン。アウトラップはみんなかなりゆっくり走っている。
上のクラスで速い後の車に先に行ってもらいました。
2周目、ペースアップ。
「あれっ!さっき先に行ってもらった車のペースが上がらないけどどうしたのだろう?まずい!この周回の途中で追いつきそうだ。でもこのまま彼と同じペースで走ると、齋藤選手との距離があいてしまうし、、」
ホームストレートで徐々に近づいてS字で追いつき、
バックストレートで完全にスリップに入る。登りのストレートでぐんぐん引っ張ってくれ、ポストではブルーフラッグが振られている。
「抜いちゃえ!」
ヘアピンにはインベタで入ってしまったのだがなんとか抜けた。
(でもこの周回はタイムはダメだろうな)
後ろからまだつかず離れず付いてくる。
「とりあえず早いところ齋藤さんに追いつこう。」
その2周後最終コーナーを立ち上がると前に斉藤さんを確認。
そしてS字で完全にスリップに入る。
「抜いてみようか!?」
バックストレートへの大事なコーナーをインから入る事になるのですが、
ここでスロットルをオフには出来ない。後にはさっきの車がいます。
「エイッ!」
接触が怖いのでかなりインからコーナーにはいる様にブレーキング。
すると視界の左に直進していく車が映る。
「あれッ!齋藤さんまっすぐ行っちゃった?!プッシュしすぎたから?
悪いことをしてしまった!」反省しきり、、
次の周回で再び後の車に先に行ってもらう。
今度はどんどん先に行ってくれたのでこちらもようやくクリアラップが取れ、
その後はチェッカーまで全てクリアーのまま周回をこなせました。
「今回タイムはどのくらい出たのだろうか?」
パドックへ戻ると、「このまま排ガスへ行ってください!」との指示。
「勝った! いや、勝てたようだ!」
タイムは?
ウチのカミさんの手計測で2分00秒が出ている。しかも2周目。
あのチューニングクラスの車を抜かした周回。
あの周回で出ている筈がないから、その次に速かった周回の2分1秒台のタイムがベストだろう、、。兎も角昨日のタイムが出て良かった!しかし、
「エアがたったコンマ2の違いでこんなにタイムに影響が出るんだ!」と驚きでした。
そして齋藤選手に謝りに、、
「ごめんなさい。押し出しちゃった。大丈夫だった?」と、言うと、
「ストレートからスリップに入られて、思っていた以上に車速が乗ってしまって、
ブレーキが間に合わなくて、、あ、車は大丈夫ですよ。」とのこと。
ほっと一安心。
「そうか!スリップに入ると、入られた方も車速が伸びるのか。」とまた発見。
正式なタイムが出て、ベストは2周目の2分00秒317。
??!聞いた自分がビックリ!
ホスピタリティーにくつろぐ
(テントで優勝のスピーチ)
昼食はVWのテントの下でとれ、気持ちも良いしとても美味しい。
これまでもっとエントリー費の高いイベントに出た事はあるのですが、
殆どが、食事は自前でコンビニ弁当のことが多かったのです。
やはり自動車メーカーのブランドが冠になっているイベントは違うなぁ、、。
表彰式はGTI CUPのレースと合同。
でもみんな勝負の後、和気藹々なひととき。
こういったホスピタリティテントという物はポルシェカップなどで見たことはありますが、
今まで中に入ったことはなくて、外から見るだけの憧れの一つでした。
参加者の皆さんからも色々と教えていただけ、
勝負を超えて大人が楽しむレースの雰囲気を十分に味わうことが出来、大満足。
次戦はFSWです。恐らくエントリーも今回よりずっと多いことでしょう、、
う~~ム、、優勝はちょっと無理かな、、。
ウチに帰ったらGTゲームでコースの練習だ!^^;